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おたふく風邪の予防接種は必要?効果や副反応について

おたふく風邪の予防接種は任意接種。幼稚園や保育園など集団生活をはじめた小児がかかりやすく、半数の子どもが6歳までに発症すると言われています。おたふく風邪の症状と予防接種の効果、副反応とその対処法を医師が解説します。

Q. おたふく風邪の予防接種には副反応があると聞いた。接種すべきか悩んでいる。

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おたふく風邪は副反応があると聞きました。予防接種を受けるべきか悩んでいます。

A. 副反応はあるが発症可能性はごくわずか。症状も軽いので受けるのがおすすめ。

副反応として無菌髄膜炎にかかることがわかっていますが、かかる割合は極わずかです。また、症状もひどくないので、任意接種ですが、受けることをおすすめします。

おたふく風邪の症状

おたふく風邪は、別名流行性耳下腺炎といい、くしゃみや咳でムンプスウイルスが飛び散ることで飛沫感染します。感染から症状が現れるまでに2~3週間かかります。

感染力が弱いため、症状が出ない場合もあり、これは不顕性感染と言います。1歳以下の乳児では、この不顕性感染が多いようです。感染すると現れる症状は以下の通りです。

・耳下腺部の腫れ
片側から始まり、1~2日すると両側が腫れます。初めの1~3日は耳下腺部が痛みます。耳下腺部の腫れは、1週間~10日で収まります。

・発熱
子どもの場合は、38℃台の発熱があります。ただ、大人になっておたふく風邪にかかると、40℃以上の熱が出て、男性の場合は生殖機能にダメージを受ける可能性もあります。

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おたふく風邪の予防接種の効果

予防接種を受けることでおたふく風邪を100%防げるわけではありませんが、70%~90%は予防できると言われています。

以前は麻疹や風疹と一緒に、混合ワクチンのMMRワクチンとしておたふく風邪のワクチンも定期接種として受けられていました。ただ、MMRワクチンを接種した子どもの数千人に1人の割合で、副反応として発熱や頭痛、嘔吐などの症状がみられる無菌髄膜炎にかかることがわかり、MMRワクチンの接種は中止され、おたふく風邪ワクチンは任意接種となりました。

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おたふくワクチン接種の副反応と対処法

接種後1~3週間頃に、発熱や発疹が現れることがありますが、ほとんどは数日後に消失します。

単独接種でも、1万人に1人の割合で、副反応として無菌性髄膜炎にかかることがあります。無菌性髄膜炎にかかると、発熱や頭痛、筋力低下、首の硬直などがありますが、点滴を受けて安静にすれば治るので心配はいりません。

サムネイル:マハロ / PIXTA