PREGNANCY
出生前診断にはどんなものがある?最新の妊娠検査事情
新型出生前診断について最近よく耳にするようになりました。正式には「無侵襲的出生前遺伝学的検査」、略してNIPT。言葉通り、胎児や母体に悪影響を与えることなく胎児の遺伝検査ができるものです。2014年にガイドラインができた新しい検査ですが、徐々にこの検査ができる施設が増えています。詳細について、不妊治療に詳しいアイジェノミクス社に聞きました。
出生前診断にはどんな種類がある?
「胎児の状態を把握する検査すべてを出生前診断と呼びます。妊婦の方に対して日常的に行っている超音波検査も、出生前診断の一つですね」(アイジェノミクス社)
超音波検査は非常に安全な優れた診断の一つですが、胎児がある程度の大きさにならないと異常が見つからない、微細な異常は判別できないなどの欠点も。そこで、他にもさまざまな出生前診断が行われています。
■羊水検査
妊婦のお腹の上から針を刺して羊水を吸引し、その中の胎児由来の細胞から、胎児の染色体を検査する方法です。妊娠16週以降の中期になると検査が可能になります。
「お腹に針を刺して行うために、検査によって流産が引き起こされる可能性があります。ただ微細な異常を除けば、この検査は確定診断として行われます」(アイジェノミクス社)
■絨毛検査
絨毛検査は、絨毛組織を子宮の入り口から採取する経膣方とお腹に針を刺して採取する経腹法の2つの方法があり、採取した絨毛細胞を培養し染色体を調べることから確定診断に利用されます。
■母体血清マーカーテスト
1990年代に普及した検査方法。トリプルマーカーテスト、クアトロテストとも呼ばれます。妊婦のホルモンやタンパクの上昇程度を測定することで、統計学的に染色体異常の確率を出します。
この検査で判別できる疾患はダウン症候群(21トリソミー)エドワーズ症候群(18トリソミー)開放性神経管奇形の3種類のみで、あくまで疾患の可能性までしか分かりません。血液検査のみでできて流産の危険性はありませんが、精度が低いという欠点があります。
■新型出生前診断(NIPT)
2011年にアメリカで開発されたまったく新しい出生前診断方法です。日本には2013年に導入され、2014年にガイドラインが制定されました。
NIPTの特徴は、血液検査のみという母体にも胎児にも安全な検査でありながら、高精度に特定の染色体数的異常を検出できること。この最新技術について、詳しくご紹介します。
新型出生前診断(NIPT)とは?
妊婦の血液を採取し、そこに含まれるわずかな胎児DNA断片を分析することにより、胎児の染色体異常を調べます。
「10週から受けることができ、2週間ほどで結果が出ます。結果が陰性(異常なし)となった場合の陰性的中率は99.9%と羊水検査と同等の正確度を示しますが、一方で陽性(異常あり)となった場合は年齢にもよりますが85%の陽性的中率となります」(アイジェノミクス社)
つまり結果が陰性であれば、ある特定の異常がある可能性は限りなく低いということです。
NIPTを受けるための条件
検査が可能な時期は妊娠10~22週ごろ。NIPTはあくまでも検査であって確定診断ではないため、NIPTで陽性だった場合には確定診断である羊水検査を受けることを強く推奨しております。
なお、検査対象となるのは次のいずれかの条件に当てはまる人だけです。
・出産する女性が、出産予定日時点で35歳以上
・染色体異常の赤ちゃんを妊娠した経験がある
・夫婦のどちらかに染色体構造異常(ロバートソン転座など)があるために、赤ちゃんに13番染色体トリソミー(パトウ症候群)や21番染色体トリソミー(ダウン症候群)の可能性がある
・他の出生前診断で、赤ちゃんの染色体異常の可能性が判定された
NIPTでわかる“ある特定の”異常
NIPTでわかるのは、21番染色体トリソミー(ダウン症候群)、18番染色体トリソミー(エドワーズ症候群)、13番染色体トリソミー(パトウ症候群)、性染色体(XおよびY)の染色体数の異常のみ。
「生まれたときに持っている病気を先天性疾患といい、先天性疾患を持って生まれる赤ちゃんは、出生全体の3〜5%といわれています。そのうち染色体異常症は0.6%で、NIPTでわかる21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーが占める割合はさらにその3分の2程度と考えられています」(アイジェノミクス社)
つまり、NIPTを受けて『異常なし』と判定されても、必ずしも異常のない赤ちゃんが生まれてくることが確約されたわけではないのです。
NIPTについて知っておきたいこと
「NIPTはまだ20万円ほどと高額なところが多いです。さらに確定診断を得るには、羊水検査や絨毛検査といった追加の検査が必要です。ただそれでも、受ける人は増え続けています」(アイジェノミクス社)
高齢出産が増えている今、NIPTを始めとする出生前診断に関心が高まっていると言います。
「NIPT自体は体には負担の少ない検査ですが、決して気軽な検査ではありません。まず遺伝カウンセリングを受けてから、じっくり検討することをお願いします」(アイジェノミクス社)
NIPTを受ける前には、夫婦やパートナー同士できちんと話し合っておくことが大切ですね。
取材・文:有馬美穂
サムネイル:Fast&Slow / PIXTA
妊婦のお腹の上から針を刺して羊水を吸引し、その中の胎児由来の細胞から、胎児の染色体を検査する方法です。妊娠16週以降の中期になると検査が可能になります。
「お腹に針を刺して行うために、検査によって流産が引き起こされる可能性があります。ただ微細な異常を除けば、この検査は確定診断として行われます」(アイジェノミクス社)
絨毛検査は、絨毛組織を子宮の入り口から採取する経膣方とお腹に針を刺して採取する経腹法の2つの方法があり、採取した絨毛細胞を培養し染色体を調べることから確定診断に利用されます。
■母体血清マーカーテスト
1990年代に普及した検査方法。トリプルマーカーテスト、クアトロテストとも呼ばれます。妊婦のホルモンやタンパクの上昇程度を測定することで、統計学的に染色体異常の確率を出します。
この検査で判別できる疾患はダウン症候群(21トリソミー)エドワーズ症候群(18トリソミー)開放性神経管奇形の3種類のみで、あくまで疾患の可能性までしか分かりません。血液検査のみでできて流産の危険性はありませんが、精度が低いという欠点があります。
■新型出生前診断(NIPT)
2011年にアメリカで開発されたまったく新しい出生前診断方法です。日本には2013年に導入され、2014年にガイドラインが制定されました。
NIPTの特徴は、血液検査のみという母体にも胎児にも安全な検査でありながら、高精度に特定の染色体数的異常を検出できること。この最新技術について、詳しくご紹介します。
新型出生前診断(NIPT)とは?
妊婦の血液を採取し、そこに含まれるわずかな胎児DNA断片を分析することにより、胎児の染色体異常を調べます。
「10週から受けることができ、2週間ほどで結果が出ます。結果が陰性(異常なし)となった場合の陰性的中率は99.9%と羊水検査と同等の正確度を示しますが、一方で陽性(異常あり)となった場合は年齢にもよりますが85%の陽性的中率となります」(アイジェノミクス社)
つまり結果が陰性であれば、ある特定の異常がある可能性は限りなく低いということです。
NIPTを受けるための条件
検査が可能な時期は妊娠10~22週ごろ。NIPTはあくまでも検査であって確定診断ではないため、NIPTで陽性だった場合には確定診断である羊水検査を受けることを強く推奨しております。
なお、検査対象となるのは次のいずれかの条件に当てはまる人だけです。
・出産する女性が、出産予定日時点で35歳以上
・染色体異常の赤ちゃんを妊娠した経験がある
・夫婦のどちらかに染色体構造異常(ロバートソン転座など)があるために、赤ちゃんに13番染色体トリソミー(パトウ症候群)や21番染色体トリソミー(ダウン症候群)の可能性がある
・他の出生前診断で、赤ちゃんの染色体異常の可能性が判定された
NIPTでわかる“ある特定の”異常
NIPTでわかるのは、21番染色体トリソミー(ダウン症候群)、18番染色体トリソミー(エドワーズ症候群)、13番染色体トリソミー(パトウ症候群)、性染色体(XおよびY)の染色体数の異常のみ。
「生まれたときに持っている病気を先天性疾患といい、先天性疾患を持って生まれる赤ちゃんは、出生全体の3〜5%といわれています。そのうち染色体異常症は0.6%で、NIPTでわかる21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーが占める割合はさらにその3分の2程度と考えられています」(アイジェノミクス社)
つまり、NIPTを受けて『異常なし』と判定されても、必ずしも異常のない赤ちゃんが生まれてくることが確約されたわけではないのです。
NIPTについて知っておきたいこと
「NIPTはまだ20万円ほどと高額なところが多いです。さらに確定診断を得るには、羊水検査や絨毛検査といった追加の検査が必要です。ただそれでも、受ける人は増え続けています」(アイジェノミクス社)
高齢出産が増えている今、NIPTを始めとする出生前診断に関心が高まっていると言います。
「NIPT自体は体には負担の少ない検査ですが、決して気軽な検査ではありません。まず遺伝カウンセリングを受けてから、じっくり検討することをお願いします」(アイジェノミクス社)
NIPTを受ける前には、夫婦やパートナー同士できちんと話し合っておくことが大切ですね。
取材・文:有馬美穂
サムネイル:Fast&Slow / PIXTA
1990年代に普及した検査方法。トリプルマーカーテスト、クアトロテストとも呼ばれます。妊婦のホルモンやタンパクの上昇程度を測定することで、統計学的に染色体異常の確率を出します。
この検査で判別できる疾患はダウン症候群(21トリソミー)エドワーズ症候群(18トリソミー)開放性神経管奇形の3種類のみで、あくまで疾患の可能性までしか分かりません。血液検査のみでできて流産の危険性はありませんが、精度が低いという欠点があります。
2011年にアメリカで開発されたまったく新しい出生前診断方法です。日本には2013年に導入され、2014年にガイドラインが制定されました。
NIPTの特徴は、血液検査のみという母体にも胎児にも安全な検査でありながら、高精度に特定の染色体数的異常を検出できること。この最新技術について、詳しくご紹介します。
新型出生前診断(NIPT)とは?
妊婦の血液を採取し、そこに含まれるわずかな胎児DNA断片を分析することにより、胎児の染色体異常を調べます。
「10週から受けることができ、2週間ほどで結果が出ます。結果が陰性(異常なし)となった場合の陰性的中率は99.9%と羊水検査と同等の正確度を示しますが、一方で陽性(異常あり)となった場合は年齢にもよりますが85%の陽性的中率となります」(アイジェノミクス社)
つまり結果が陰性であれば、ある特定の異常がある可能性は限りなく低いということです。
NIPTを受けるための条件
検査が可能な時期は妊娠10~22週ごろ。NIPTはあくまでも検査であって確定診断ではないため、NIPTで陽性だった場合には確定診断である羊水検査を受けることを強く推奨しております。
なお、検査対象となるのは次のいずれかの条件に当てはまる人だけです。
・出産する女性が、出産予定日時点で35歳以上
・染色体異常の赤ちゃんを妊娠した経験がある
・夫婦のどちらかに染色体構造異常(ロバートソン転座など)があるために、赤ちゃんに13番染色体トリソミー(パトウ症候群)や21番染色体トリソミー(ダウン症候群)の可能性がある
・他の出生前診断で、赤ちゃんの染色体異常の可能性が判定された
NIPTでわかる“ある特定の”異常
NIPTでわかるのは、21番染色体トリソミー(ダウン症候群)、18番染色体トリソミー(エドワーズ症候群)、13番染色体トリソミー(パトウ症候群)、性染色体(XおよびY)の染色体数の異常のみ。
「生まれたときに持っている病気を先天性疾患といい、先天性疾患を持って生まれる赤ちゃんは、出生全体の3〜5%といわれています。そのうち染色体異常症は0.6%で、NIPTでわかる21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーが占める割合はさらにその3分の2程度と考えられています」(アイジェノミクス社)
つまり、NIPTを受けて『異常なし』と判定されても、必ずしも異常のない赤ちゃんが生まれてくることが確約されたわけではないのです。
NIPTについて知っておきたいこと
「NIPTはまだ20万円ほどと高額なところが多いです。さらに確定診断を得るには、羊水検査や絨毛検査といった追加の検査が必要です。ただそれでも、受ける人は増え続けています」(アイジェノミクス社)
高齢出産が増えている今、NIPTを始めとする出生前診断に関心が高まっていると言います。
「NIPT自体は体には負担の少ない検査ですが、決して気軽な検査ではありません。まず遺伝カウンセリングを受けてから、じっくり検討することをお願いします」(アイジェノミクス社)
NIPTを受ける前には、夫婦やパートナー同士できちんと話し合っておくことが大切ですね。
取材・文:有馬美穂
サムネイル:Fast&Slow / PIXTA
検査が可能な時期は妊娠10~22週ごろ。NIPTはあくまでも検査であって確定診断ではないため、NIPTで陽性だった場合には確定診断である羊水検査を受けることを強く推奨しております。
なお、検査対象となるのは次のいずれかの条件に当てはまる人だけです。
・出産する女性が、出産予定日時点で35歳以上
・染色体異常の赤ちゃんを妊娠した経験がある
・夫婦のどちらかに染色体構造異常(ロバートソン転座など)があるために、赤ちゃんに13番染色体トリソミー(パトウ症候群)や21番染色体トリソミー(ダウン症候群)の可能性がある
・他の出生前診断で、赤ちゃんの染色体異常の可能性が判定された
NIPTでわかるのは、21番染色体トリソミー(ダウン症候群)、18番染色体トリソミー(エドワーズ症候群)、13番染色体トリソミー(パトウ症候群)、性染色体(XおよびY)の染色体数の異常のみ。
「生まれたときに持っている病気を先天性疾患といい、先天性疾患を持って生まれる赤ちゃんは、出生全体の3〜5%といわれています。そのうち染色体異常症は0.6%で、NIPTでわかる21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーが占める割合はさらにその3分の2程度と考えられています」(アイジェノミクス社)
つまり、NIPTを受けて『異常なし』と判定されても、必ずしも異常のない赤ちゃんが生まれてくることが確約されたわけではないのです。
NIPTについて知っておきたいこと
「NIPTはまだ20万円ほどと高額なところが多いです。さらに確定診断を得るには、羊水検査や絨毛検査といった追加の検査が必要です。ただそれでも、受ける人は増え続けています」(アイジェノミクス社)
高齢出産が増えている今、NIPTを始めとする出生前診断に関心が高まっていると言います。
「NIPT自体は体には負担の少ない検査ですが、決して気軽な検査ではありません。まず遺伝カウンセリングを受けてから、じっくり検討することをお願いします」(アイジェノミクス社)
NIPTを受ける前には、夫婦やパートナー同士できちんと話し合っておくことが大切ですね。
取材・文:有馬美穂
サムネイル:Fast&Slow / PIXTA
「NIPTはまだ20万円ほどと高額なところが多いです。さらに確定診断を得るには、羊水検査や絨毛検査といった追加の検査が必要です。ただそれでも、受ける人は増え続けています」(アイジェノミクス社)
高齢出産が増えている今、NIPTを始めとする出生前診断に関心が高まっていると言います。
「NIPT自体は体には負担の少ない検査ですが、決して気軽な検査ではありません。まず遺伝カウンセリングを受けてから、じっくり検討することをお願いします」(アイジェノミクス社)
NIPTを受ける前には、夫婦やパートナー同士できちんと話し合っておくことが大切ですね。
取材・文:有馬美穂
サムネイル:Fast&Slow / PIXTA