MANGA & COLUMN

〈特別編〉子どもが言うコトを聞かないとき、どうする…?

水谷さるころの特別描き下ろし漫画第5弾! 寝る時間に絵本を何度もせがまれたり、お出かけ中に無理なお願いをされたり…。子どものわがままにどう対応すればいいのか、悩むことってありますよね。さるころさんはどうしているのでしょうか?

子どもが言うコトを聞かないときどうするか

私は基本的に「物理的に無理」とか「時間的に無理」じゃないかぎりは「いいよ」と言います。パートナーには「なんでそんなに子どもの言いなりなの?」と言われるんですが、基本的に私は頼まれるとOKしちゃうタイプなんです。

これが、「(私は)イヤなのに聞いてしまう」ではなく、「イヤじゃないから断らない」という感じなのです。明確な理由がないと断れないのですが、パートナーからするとかなりキャパシティが大きいらしい。

物理的に無理なこと以外は、たいてい子どもの言いなり…?

15キロを越えている4歳の息子が、出かけ先で昼寝してしまっても抱っこで1時間移動したりしてしまいます。これに関しては、母親としてというよりも、私の趣味が空手なこともあり、「体幹を鍛えよう」とか「立ちがまっすぐなら重い物も持って移動すること可能」とか、まるで修行感覚です。

先日は、出かける2時間半前に息子から「クッキー持って行きたいから焼いてほしい」と言われ、「2時間半あれば可能かな」と超特急でクッキーを焼きました。

とうとうパートナーから「この妖怪いいなりババア!」なんて言われてしまいました。

子どもはまだ我慢ができないことがある。無理に言うことを聞かせたりはしない

というわけで、子どもが大人の言うコトを聞くよりも、圧倒的に大人が子どもの言うコトを聞いてしまうことが多い我が家です。

子どもの脳は「我慢する」とか「理性的に考える」などができる前頭葉の発達が未熟なため、能力として「我慢」ができないことがあると聞きます。それに、能力を超えて恐怖などで行動を抑圧すると子どもの心の発育によくない…という話も聞きます。

そういうわけで、子どもが言うことを聞かないときは「前頭葉が発達してないから、しょうがないよね〜」と夫婦で言い合い、無理に言うことを聞かせたりはしない方針です。

「約束破ったら、怖いお母さんが来るよ」と言うけど…

しかし、我が家でも息子のわがままで揉めることがあります。「寝かしつけ」の時です。

寝る時間に絵本をせがまれても、1時間とか2時間とか読み聞かせはさすがに無理だし、早く寝てほしい。そういうときはいきなり叱ったり怒ったりする前に「約束破ったら、怖いお母さんが来るよ」とワンクッション入れるようにしています。

でも自分の言う通りにならないと息子は泣いたり暴れたりするので、「叱る親」と「泣きわめく子ども」同士でギャーギャーした状態に…。そうなると結局、その場を収めるために私が子どもの要求を聞いてしまいます。でも息子は「自分の言うコトを聞いてもらえた」という実感があるようで、落ち着くことが多いです。

「◯◯買ってー」の要求は、まず“ほしい”と思った気持ちを受けとめる

何かを「買ってほしい」という要求に関しては、いきなり「ダメ」とか言わないようにしています。いったん「それもいいね」と受けとめてから、「でも○○じゃない?」と説得をすることを心がけています。

「あっちも良いよ」と値段の安いモノを提案したり、「今度○○がほしいんじゃなかったっけ?」と気をそらしたり、後から「今度買おうよ」と説得したり。とりあえず買い物カゴに入れてそっと返すこともあります。

うちの息子は「これがほしい」と言ったときに、「ダメ」や「無理」と言うと、意地になってしまいます。否定されること自体がショックらしいのです。

ほしいモノ自体よりも、それがほしいと思った気持ちを受けとめてあげるほうが大事のような気がしています。

幼少期は親は自分の言うことを聞いてくれる、という信頼を作る時期

こういうことを書くと私が「良いお母さん」のように見えますが、正直なところ、わがままを受け入れるのは「子どもが泣き叫ぶ」のがイヤ…というのが第一です。

うちはアラフォーとアラフィフの夫婦なので、精神力的に子どもを押さえ込む気力が残っていないのです。瞬間的に「いいかげんにしなさい!」と怒る気持ちもわくのですが、それを続ける気力がないんです…!

とはいえ、子どもだって自分の気持ちを聞いてもらって納得さえしてくれれば収まる事が多いので、我が家では抑圧よりも対話するようにしています。幼少期は親は自分の言うことを聞いてくれる、という信頼を作る時期だと思って、もうしばらくは「いいなり母さん」でいてもいいかなと思ってます。