MANGA & COLUMN

〈特別編〉「離乳食作りはお父さんが担当」のススメ

水谷さるころの特別描き下ろし漫画第1弾! 子育ての中でも特に大変な離乳食作り。我が家では離乳食作りはお父さんの担当でした。

「母乳は出せないが、離乳食ならオレでも作れる!」

共働きなので家事も育児もちゃんとシェアしよう…といいつつ、やっぱり産後からすぐは母親である私に比重が偏りがちになってしまいました。

「お父さんはおっぱいが出ないから」とはよく言いますが、我が家のお父さんは「母乳は出せないが、離乳食ならオレでも作れる!」と自ら作ると奮起。
それを聞いて私は「おおお!」と感動しました。
いやー、実際私も「離乳食の作り方」とかのマニュアルを買って読んで勉強していたんですが、料理とはまたちょっと違う、やったことのない領域で「これ…赤ちゃんの世話をしながらやるの?! 世の中のお母さんすごい!」って思ってたんですよね。10倍粥とか、作ったことないし?! みたいな。

「離乳食は母親がやらねば」と勝手に思っていた

うちは結婚以来炊事を夫に任せている家庭なのですがなぜか「離乳食は母親がやらねば」と勝手に思っていました。お父さんが自分でやると言い出して「はっ! そういう手があったか」と思い直しました。確かに、本を見ながら経験値0からスタートするならこれは母親がやっても父親がやっても同じじゃん…? と納得。うちではお父さんが離乳食担当になりました。

そして「離乳食は分業制」になりました。作るのはお父さん。あげるのはお母さん。
もしも子どもが離乳食を嫌がって「うえーっ」とはき出されても、あげている私は手間暇かけて作ってないので心理的ダメージが少ない! なので、冷静に「何が原因なのか」と考えることもできましたし、あげ方を工夫したら食べてくれたりと「あげるほう」に集中できたのはよかったと思います。ちなみにうちは「盛りつけをかわいく」とかしても全然ダメでした…。一口の量や、口に運ぶタイミングとかのほうが大事だったようです。

任せることで夫婦の絆と信頼関係がアップ

我が家では離乳食の前に「保活をお父さんが全然関わらなかった」ことで夫婦バトルが発生していましたが、離乳食作りを完全に任せたことで夫婦の絆と信頼関係がアップしました。

なので、友達が妊娠したときも「離乳食はお父さんが作るといいよ!!」とオススメしました。
離乳食は一回に食べる量が少ないのでまとめて作ってフリージングなどしますし、子どものご飯のときに家にいなくてもまとめて作ったりもできます。うちは大きめの製氷皿に野菜のペーストを入れて凍らせ、離乳食ブロックを作っていました。お母さんはそれを解凍して冷ましてからあげるだけ。
お父さんが離乳食を作ることによって、育児の当事者性もアップしますし、赤ちゃんの世話のタスクの多さも理解しやすくなるし、お母さんは助かるし、お父さんの作ってくれた離乳食でお父さんの家族への気持ちも感じられて…いいことばっかり!
私の周りではサポーティブな男性と結婚した友達が多く、意外と「離乳食作りをするお父さん」はいました。

「正しい離乳食」にこだわりすぎないで

とはいえそもそも「日本の離乳食」は求められるレベルが高く、指南書通りにやると結構大変なんですよね。
質の良い離乳食も商品として売っているので、あまり「正しい離乳食」を求めて頑張らなくてもよかったかも…と夫婦で後から振り返りました。「食育」とか言われると、「頑張ってよい離乳食を与えないと、子どもの一生に影響するのでは?!」と気負いがちだとは思うのですが、夫婦で協力して話し合って「ま、このくらいでいっか!」なんて感覚を共有できたら、産後クライシスも遠のくよいパートナーシップが築けるのではないか…と思います。