MANGA & COLUMN

〈特別編〉察しちゃうお母さん察せないお父さん

水谷さるころの特別描き下ろし漫画第2弾! 発語が発展途上の子どもに対し、「察する能力」をどれくらい使っていいものでしょうか?

我が家の「察してチャン禁止」ルール

我が家の夫婦には「察してチャン禁止」というルールがあります。

「なんでわかってくれないの」とか「普通はこうでしょ」とか言ってはいけない。相手は別の人間なんだから、ちゃんと伝える努力をしよう。そしてちゃんと相手にお願いするスキルをつけよう、というものです。

これは私たちが一度離婚を経験しているバツイチ同士の再婚カップルだからです。

なぜか結婚したり、相手が親しいと思うと「言わなくてもわかるでしょ」という態度を取ったりしてしまいがち。

でも、「言わなくてもわかる」なんてことはありません。それをほったらかしておくと、夫婦のすれ違いが増え、溝になっていきます。いずれ話し合うことすら難しい関係になるかもしれない…。

そんなことにならないように、意識して行動するようにしています。

「なんで怒ってるのかわかんない。理由をちゃんと話して」

世の中的には「女性のほうが察してほしがる」と言われる傾向がある気がするのですが、男性でもありますよね。直接「察してよ」とは言ってこないものの「不機嫌になる」とか「なんでこうなるんだ」と怒り出すとかも「言わないでもわかって」という態度だと思っています。

正直そういう「察してくれ」っていうのって男女関係ないと思うんですよね。うちもそうでした。

そういうとき、私は「なんで怒ってるのか全然わかんない。察せない。理由をちゃんと話して」とひたすら言い続けました。

その努力の甲斐あって夫も自分の気持ちを説明したり、勝手に怒り出したりしないように考えて行動してくれるようになりました。

しかし……

相手が子どもなら「察してあげる」が必要なことも

言葉がまだ未発達の乳幼児は「今何がしたい」と伝えることができません。なので、親の方が予測して察してあげないといけない場面が多いです。

夫に対しては「察せないからちゃんと説明しろ」と言い続けた私ですが……相手が赤ちゃんとなれば話しは別。赤ちゃんの要求はわかりますし、大体のことは察せます。

ところがやっぱり夫(お父さん)はイマイチ察する感度が低いというか…離乳食をあげるのを見ていても「いやいや、口にスプーンを運ぶのはそのタイミングじゃないのでは」と思ったり。

むむむ、やっぱりこういうのはお母さん、女性のほうがわかるのかしら? それとも個人的な資質の問題?

喋れるようになったら「何でもかんでも察して」はNG!

ところが、子どもが喋ることができるようになってきたら、今度は「何でもかんでも察して」やってあげるというわけにもいかなくなってきました。

子どもが「ん」と一言いえば何でも出てくる状態…それってまるで昭和のダメオヤジ…? そんな人間に子どもをしてはいけない! 夫婦喧嘩の原因も「察して」「言わなくてもわかって」が多いんだから、子どもにも「言葉で伝える」練習をさせないとダメだよね、と話し合いました。

きちんと言葉で伝えられる人になるために

でもついつい私は「あ、今何がしてほしいのね」と察して行動しちゃうことがあります。もうほとんど無自覚に…! そうすると今度はお父さんに「ちゃんと言わせて」と怒られるようになってきました。

「どうして察してくれないの」と怒りだしちゃダメ、きちんと言葉でお願いさせる、と夫婦で決めたルール。ちゃんと言葉で伝えることができるようになるために、子どもにも練習させないといけないな…と、気持ちを引き締めてやっています。