MANGA & COLUMN

〈特別編〉我が家のジェンダーフリー教育

水谷さるころの特別描き下ろし漫画第3弾! 男の子だからといって「男の子らしく」いる必要なんてない。ジェンダーフリー教育のために大切にしたいこととは…?

「男の子らしさ」よりも「自分らしさ」を大事にしたい

我が家は「なるべく性別で何かを子どもにすり込まないようにしよう」という方針です。

そもそも我が家は共働きで、家事と育児は夫婦どちらももやります。従来スタンダードとされていた「お母さんが家事育児で、お父さんはお仕事」みたいな家庭ではないのです。

私たち夫婦は、世代的なものもあり、かつては「社会的役割」に無意識に縛られていた時期もありました。それが合わないと感じ、今に至ります。

だから息子にも、「男の子なんだから○○しなさい」「男の子なんだから○○しちゃダメ」みたいなことは言いません。おもちゃも服も、男っぽいもの女っぽいもの関わらずなるべくフラットに与えるようにしています。

もしろん、息子だけでなく家族全員が「自分らしさ」を大事にしたいなと思っています。

自分で選んだものしか着ない息子…それも大切な「選択」

息子が2歳になったころ、ハッキリと自己主張ができるようになると「カラフルなもの」を好むようになりました。

好む…どころか、気に入らないものは中々着てくれません。かなりこだわり屋の難しいタイプに…!

服は、買うときに自分が選んだものしか着てくれません。お下がりも、着る着ないがハッキリしているので、もらっても着ないままになってしまうものもあります。

でも、そういう本人の選択は「ワガママ」とは扱わずに、すべて受け入れます。だって、大人だって着たくない服なんか、着たくないですもんね。

「自分が好きなものを優先する」は性格なのか、親の影響なのか

自分で自分のことを決められるのは大事ですし、「みんなが好きなもの」より「自分が好きなもの」を優先してほしいと思っています。

息子が自分の好き嫌いを主張できることも「頼もしいな」と好ましく思っています。

でも、それ自体が親の願望や嗜好なんですよね。「息子は、親の価値観に影響され、踏襲しているだけなのでは?」などと考えたりもしちゃいます。

今息子が「自分が好きなものを優先」していることが、たまたまそういう子なのか、親の影響なのか。4歳くらいだとまだ正直わからないです。

「周りに流されるな」という押し付けもしたくない

小学生になると、お友だちやコミュニティの影響が大きくなり、いっきに興味の方向が変わるということを、先輩ママからよく聞いています。

幼児期は親の影響がとても強いので、親がある程度コントロールしたり誘導したりできますが、学校に行くようになるとまた世界が変わってくるそうです。

そうなったとき、私が「おもしろくないなあ」とか「趣味じゃないなあ」という選択を、息子がするようになるかもしれません。その息子の選択を、私は受け入れられるのか…正直不安になることもあります。

でも、彼の選択を否定するのは「男らしさ」を押し付けることと同じ。「周りに流されない自由な選択をしろ」という親の願望を押し付けるのも、よくないんじゃないかなと思ってしまいます。

「男らしくなりたい」と言い出したら、「それもいいね」と言える親でいたい

息子が周りに流される選択をしたり、男らしくなりたいと言い出したりしても、「それもいいね」と言えるような親でいたいなと思っています。

この先息子が、私たち親が好ましいと思えない方向に向かったとしても、受け入れるぞ…! という気持ちです。